これまで、Newton と Mac OS X を接続したことがなかったのですが、ちょいと環境を整備すると使えることが判明したのでここに報告しておきます。Mac OS X で Newton を接続する上で問題になるのが、「USB - Serial 変換機器」「変換機器のドライバの Mac OS X 対応」「各種ソフトの Mac OS X 対応」です。

USB - Serial 変換機は Keyspan の USB Twin Serial Adapter が問題なく使用できます。日本国内ではASK Corpration が Keyspan 社製品を取り扱っています。この USB Twin Serial Adapter は Beta 版の Mac OS X ドライバが提供されており（2001.9 現在）、KeyspanUSAdriver08.pkg.sit.bin 以降のドライバで問題なく Newton との接続が可能です。

※現在は Mac OS X ドライバは GM 版が提供されています（2001.11 現在）。ですが、Mac OS X ドライバと Classic 版のドライバは共存できなくなりました。よって、Mac OS X ドライバはインストールしないようにして下さい。Mac OS X ドライバをインストールしてしまった場合でも簡単にアンインストールできます。

Newton Connection Utilities、Newton Backup Utility 、Newton Package Installer などのソフトウェアの Mac OS X ネイティブ対応（Carbon / Cocoa 化）は絶望的ですが、Classic 環境でなんの問題なく動作します。各ソフトを起動すると接続方法の設定画面に USB Twin Serial Adapter の２つのポートが選択肢に現れますので、それをチェックするだけでオーケーです。

Mac OS X でのデータバックアップやソフトのインストールなど特に問題ありません。動作チェックできたものはご連絡ください。情報はシェアしてナンボです。

いやいや、この記事を執筆するのは大変でした。何回ドライバのインストール、アンインストール、再起動をしたことか。しかし、皆さんはそんな必要はありません。もう、十分すぎる程、僕がやっておきましたから。

Mac OS X 10.0.4 までは何の問題もなく動作していた NTK 。Mac OS X 10.1 では以下のようなメッセージを出して起動できなくなりました。



これを解決する方法がメーリングリストでも議論されてきましたが、「よく分からないうちに使えるようになった」幸運の人と、解決法を試しても起動できない不幸な人がいるようです。僕も後者でしたが、以下の点に注意すれば使えるようになります。

まず前提となるのが「 USB - Serial 変換機器を用意する」ことです。ここでは、上記の USB Twin Serial Adapter を用います。

USB Twin Serial Adapter を使用する際に最も注意しなければならないのが、Mac OS X 用ドライバと Classic 用ドライバは共存できない点です。Mac OS X 用のドライバがインストールされると、Classic での USB ポート使用ができなくなります。これが原因で「動いたり」「動かなかったり」する人がでた様です。

• Mac OS X 10.1 用の USB Twin Serial Adapter ドライバをインストールしている場合は、それをアンインストールして再起動します。
  
• Mac OS 9 をブートし、USB Twin Serial Adapter の Mac OS 9 版ドライバをインストールします。USB Twin Serial Adapter ドライバは２つのポートを提供します。どちらでも使用可能ですが、ここではアダプタの１番ポートの Printer Port USB を使うことにします。
  
• Newton Package Installer や Newton Backup Utility などが使えることを確認する（NTK 以前に、Adapter が正常に動作することを確認します）。
  
• NTK を起動し、NTK Preferences で PrinterPort USB を接続ポートとして選びます。接続方法は Serial にして終了します（下図参考）。これで、次回起動時に NTK は Printer Port USB を探しにいきます。
  
• Mac OS X 10.1 をブートします。
  
• NTK が起動します。

この方法が一番確実なようです。この方法で解決しない方はご連絡下さい。

前回の補足です。「シリアル接続ではなく、Ethernet 経由で使いたい」方や、「とにかくプログラムをビルドしたいのよ」なんて人のための方法です。問題となっているのは、Mac OS X 10.1 で NTK が起動できないことです。要は NTK が起動してくれればいいのですが、そのためだけに、USB - Serial Adapter を購入するのは気が引けます。また、Keyspan のドライバは本体を接続しないとインストールできません。

newtontalk.net のメーリングリストに Carsten Lemmen 氏が投稿した方法が使えます。旧 MacOS システム用ソフト、"PortShare Demo" http://www.versiontracker.com/redir.fcgi/kind=1&db=mac&id=4215/PortShareDemo.sit.hqx を使って「仮想ポート」を作り、NTK に仮想ポート経由で Newton とコミュニケートさせるように設定します。方法は簡単です。

• Mac OS 9 をブート。
  
• PortShare Demo をインストール、再起動。
  
• コントロールパネルの PortShare を開き、New をクリック。Virtual Port を作成。
  
• NTK を起動し、NTK Preferences で Virtual Port を接続ポートとして選びます。
  
• Mac OS X 10.1 をブートします。
  
• NTK が起動します（通信はできません）。

PortShare がデモ版なので使用時間やポート作成に制限があるのと、Ethernet 接続については検証していませんので「起動するためのアイデア」として紹介しました。成功事例をお持ちの方、ご連絡下さい。

次回こそは、Mac OS X では .pkg がパッケージの拡張子で予約されている問題をとりあげます。

Newton のソフトウェアはパッケージと呼ばれています。拡張子は .pkg です。Mac OS X は NeXT のオペレーティングシステムをベースにしており、.pkg は Installer のファイルということになっています。Newton のソフトウェア .pkg のアイコンは Mac OS X では右のようなアイコンになってしまい、クリックすると Installer が立ち上がってしまいます。以前のように NCU / NBU / Newton Package Installer が立ち上がってくれないのです。

Mac OS X は拡張子の他に、従来のファイルタイプとクリエータ情報もサポートしています。このファイルタイプとクリエータを Newton のパッケージのものに指定してあげることで問題は解決します。ちなみに Newton のパッケージは Filetype : pkg ／ Creator : pkgX です。

個人的には File Typer というソフトを愛用しています。問題のファイルをこのソフトで開き、ファイルタイプ／クリエータが正しく設定されているファイルを「 Same as 」で指定するだけでファイルタイプ／クリエータを従来の姿に変更できます。これでドラッグ＆ドロップが正常に動作し、ダブルクリックでそのファイルをサポートするアプリケーションが起動するようになります。

もし、Newton のパッケージファイルだけを変更したいなら、Packager 1.1 for Mac OS X というソフトを使うとよいでしょう。Mac OS X で動作するユーティリティです。